マンション修繕工事の内容|外壁・防水・足場の工事項目

マンションの修繕工事は、足場を組み、外壁タイルやシーリング、屋上・バルコニーの防水、サッシなどを直す工事の集まりです。見積書の工事名を建物のどこに何をするのかに置き換え、部位ごとに工事内容を整理します。

まず押さえたいこと:工事名を、建物の場所と目的に結び付ける

この記事の要点

  1. 01修繕工事費の6割は建築系、2割強は足場などの仮設
  2. 02外壁タイルは打診調査で浮きを探し、原因で工法が変わる
  3. 03バルコニーは共用部分。防水工事の前に私物を動かす
  4. 04サッシ交換は3回目前後。カバー工法が一般的
この記事の目次
組み上げられた仮設足場のパイプ

マンションの修繕工事とは?大規模修繕との関係

修繕工事とは、劣化した建物や設備の性能・機能を回復させる工事です。国土交通省の「マンション改修マニュアル」(令和8年3月改訂)は、性能・機能をグレードアップする工事を「改良工事」、修繕と改良を合わせて建物の性能を改善する工事を「改修工事」と呼び分けています。

マンションの修繕工事には、傷んだ箇所をその都度直す補修から、長期修繕計画に沿って計画的に行う工事までがあります。長期修繕計画作成ガイドライン(令和6年6月改定)は、このうち建物の全体または複数の部位について行う大規模な計画修繕工事(全面的な外壁塗装等を伴う工事)を「大規模修繕工事」と定義しています。周期や進め方の全体像は大規模修繕工事とは、費用の目安は大規模修繕の費用相場の記事で扱い、この記事では工事の中身を部位ごとに見ていきます。

見積書の工事名を「建物の場所」に置き換えて読む

マンションの立面図に、屋上防水、外壁・シーリング、給排水管、バルコニー・廊下床、鉄部、手すり・サッシ、仮設足場の位置と修繕周期の目安を示した図
出典:国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン」(令和6年6月改定)の修繕周期の例をもとに編集部作成

見積書には「仮設工事」「下地補修工事」「シーリング工事」「塗装工事」「防水工事」といった工事名が並びます。専門家でなければ、名前だけで建物のどこに何をするのかを思い浮かべるのは難しいものです。まずは図のように、工事名を建物の場所に置き換えて読むところから始めましょう。

大規模修繕の対象は、原則として共用部分です。国土交通省の「マンション改修マニュアル」(令和8年3月改訂)の区分では、構造躯体、廊下・階段、バルコニー、外壁の仕上げや防水、玄関ドアの外側やサッシ、給排水管の立て管などが共用部分に当たります。バルコニーは各住戸が専用に使っていても共用部分なので、防水工事の対象になり、工事中は私物の移動をお願いすることになります。

仮設工事
足場、養生ネット、現場事務所など、工事を行うための準備と安全対策
下地補修
塗装やタイルの下にあるコンクリートのひび割れ・欠損などを直す工事
シーリング
窓まわりや外壁の継ぎ目をふさぐゴム状の材料。劣化すると雨水が入る
防水
屋上やバルコニー、廊下の床に防水層をつくり、下の階への漏水を防ぐ工事
注意共用部分と専有部分の境目は、最終的には各マンションの管理規約で決まります。玄関ドアの内側や住戸内の配管の扱いなどは規約によって違うことがあるため、工事範囲を決める前に規約の別表を確認してください。

修繕工事費の6割は建築系、2割強は足場など仮設

大規模修繕工事の総工事金額の内訳を示した帯グラフ。建築系工事60.3%、仮設工事22.8%、諸経費10.3%。建築系工事のうち外壁関係49.4%、防水関係32.0%
出典:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」

国土交通省の令和3年度実態調査(818件)によると、総工事金額の内訳は「建築系工事」60.3%、「仮設工事」22.8%、「諸経費」10.3%でした。建築系工事のうち、外壁塗装・外壁タイル・シーリングをまとめた「外壁関係」が49.4%、屋根と床の「防水関係」が32.0%を占めます。外壁と防水で建築系工事の8割以上を占める計算です。

諸経費には、現場管理費・一般管理費・法定福利費などと、大規模修繕の瑕疵保険の保険料が含まれています。法定福利費は、工事に従事する人の社会保険料の会社負担分です。国土交通省は、法定福利費が内訳として明示された見積書を参考に、その相当額を適切に含んだ金額で契約するよう管理組合に求めています。見積書の読み方は見積書の見方で詳しく説明しています。

工事の中身は回数によっても変わります。同じ調査で建築系工事に占める「建具・金物等」の割合は、1回目の1.9%に対して3回目以上では15.3%でした。1回目は外壁と防水が中心、回を重ねるとサッシや玄関ドアなどの更新が加わる、と考えておくと見積書の変化が読みやすくなります。

足場(仮設工事)の種類と、設置中の防犯対策

青空を背景に組まれた足場
足場などの仮設工事は、工事費の中でも大きな割合を占めます

仮設工事は、現場事務所や資材置場、工事用の電気・水道、掲示板などを整える「共通仮設」と、足場やネットなど作業そのものを支える「直接仮設」に分かれます。マニュアルは、足場について作業員の墜落防止と作業空間の確保に加え、落下物や塗料の飛散を防ぐ「安全性や工事の精度の確保の要」と位置づけています。

共通仮設は目立ちませんが、暮らしへの影響が大きい部分です。マニュアルによると、敷地に余裕がない場合は集会室やエントランス、空き住戸を現場事務所や資材置場に使うこともあり、その場所は設計段階で修繕委員会などと協議して決めます。掲示板の設置やチラシの配布、警備員や交通誘導員の配置、清掃、発生材の処分も共通仮設に含まれます。集会室が工事期間中に使えなくなるなら、理事会や行事の会場をどうするかも早めに考えておきます。

足場の種類特徴主な適用例
枠組み足場鋼製の枠を組む一般的な足場。強度・安定性が高い3〜15階程度、外壁が比較的単純な形
クサビ緊結式足場部材をクサビで留める。複雑な形にも対応しやすい3〜15階程度、凹凸の多い外壁
ゴンドラ電動で昇降する作業台。全面に足場を組まずに済む10階以上、敷地が狭い場合や局所的な作業
移動昇降式足場昇降機能を持つ足場ユニット10階以上で外壁全面を効率よく施工したい場合

足場の安全基準は強化されています。労働安全衛生規則の改正(令和5年10月から順次施行)により、幅1メートル以上の箇所では原則として本足場(二側足場)を使うことや、足場の点検者を指名し、組立て後の点検者の氏名を記録・保存することが求められるようになりました。仮設費を「削りやすい項目」と見るのではなく、何のための費用かを確認する視点が大切です。

足場があるあいだの防犯対策

足場は、外から上の階へ登れる通路にもなります。マニュアルは、足場からの不審者の侵入を防ぐために、1階まわりへの金網メッシュフェンスの設置や、赤外線センサーによるセキュリティシステムの導入などを検討するよう示しています。あわせて、居住者にサッシの施錠や補助錠の利用を呼びかけるなど、防犯意識を高める働きかけを施工者に求めるとしています。

  • 足場の出入口の施錠と、作業終了後の昇降階段の閉鎖
  • センサーや防犯カメラの設置範囲と、作動する時間帯
  • 作業員の身元がわかる名札・腕章などの着用ルール
  • 住戸への注意喚起(外出時や夜間の窓の施錠、ベランダに貴重品を置かない)

こうした対策は施工計画に書き込み、工事説明会で住民に伝えるのが基本です。塗料の飛散を防ぐメッシュシートは部屋が暗く感じられることがあるため、マニュアルでは視認性のよい黒色のシートを選ぶなど、住む人の立場に立った配慮も挙げられています。

外壁タイルとシーリング:打診調査と浮きの補修

外壁の工事は、きれいに塗り直すことが目的ではありません。コンクリートのひび割れや欠損を補修し、雨水が躯体に入らないようにすることが本来の役割です。工事は大きく次の順で進みます。

  1. 調査と下地補修足場を組んだ後に外壁を詳しく調べ、ひび割れ、欠損、鉄筋の露出、タイルの浮きを補修する。
  2. 洗浄高圧の水などで汚れや劣化した塗膜を落とす。
  3. シーリングの打替え窓まわりや外壁の継ぎ目のシーリング材を撤去し、新しく充てんする。
  4. 塗装下塗り・上塗りなど仕様書で決めた工程で塗り重ねる。

下地補修の数量は、足場を組んで外壁に近づくまで正確には分かりません。そのため、見積りでは想定数量と単価を決めておき、実際に補修した数量で精算する取り決めにする方法がとられます。想定数量の根拠と、増減したときの精算方法を契約前に確認しておくことが、工事中のトラブルを防ぎます。

シーリングは「打替え」か「増し打ち」か

シーリング材は、窓サッシのまわりや外壁パネルの継ぎ目をふさぎ、雨水の浸入を防ぐ部材です。ガイドラインの記載例では12〜15年で打替えとされています。古いシーリング材を撤去して新しく充てんする「打替え」と、古い材料の上から重ねる「増し打ち」では、耐久性も費用も違います。見積書の「シーリング工事」がどちらの工法で、どの部位が対象なのかを確認してください。

塗料の考え方

マニュアルによると、外装の上塗り材の耐久性は、一般にアクリル樹脂系、ポリウレタン樹脂系、アクリルシリコーン樹脂系、フッ素樹脂系の順に高くなります。臭いの問題などから近年は水性系が主流とされています。耐久性の高い塗料は単価も上がるため、次の工事までの周期と合わせて比べます。

外壁タイルは「打診調査」で浮きを探す

タイル張りの外壁では、浮きやひび割れを放置すると剥落による人身事故やコンクリートの劣化、住戸内への漏水の原因になります。打診調査は、専用のハンマーでタイルをたたき、音の違いから浮いている箇所を見つける方法です。建築基準法第12条の定期報告制度では、2008年から、タイル張りの外壁などについて概ね10年に一度、落下で歩行者に危害を加えるおそれのある部分の全面打診等が求められています(共同住宅を報告対象にしていない自治体もあります)。

マニュアルは、全面打診調査で浮きが確認された箇所は直ちに剥離防止の改修が必要だとしています。補修の方法は浮きの原因で変わります。コンクリート躯体の劣化を含む浮きなら、タイルだけでなく躯体の補修も必要です。仕上げの層で浮いている場合は、どの層の間で浮いているかを調べたうえで、エポキシ樹脂を注入する工法や、ピンで躯体に固定しながら樹脂を注入する「アンカーピンニング」、タイルの張替えなどを選びます。

タイル補修は枚数や面積で数量が変わりやすい項目です。打診の範囲と方法、補修方法ごとの想定数量を仕様書で明確にしておくと、工事中の精算で揉めにくくなります。

防水工事:屋上・バルコニー・ルーフバルコニー

防水工事は、屋上、バルコニー、開放廊下・階段の床などが対象です。長期修繕計画作成ガイドラインの記載例では、屋上防水は12〜15年で補修・修繕、24〜30年で撤去・新設、バルコニーや廊下の床防水は12〜15年で修繕という周期が示されています。

屋上防水には、防水層の上をコンクリートなどで保護した「保護防水」と、防水層がむき出しの「露出防水」があります。既存の防水層を撤去して新しくするのか、上から重ねるのかで費用も工期も変わるため、見積書では工法名と、既存防水層の扱いを必ず確認します。

部位見積書で確認したいこと
屋上防水工法、既存防水層を撤去するか重ねるか、保証年数
バルコニー床対象住戸数、排水口まわりの処理、室外機など私物の移動の扱い
開放廊下・階段防滑性のある仕上げか、工事中の通行の確保
鉄部対象部位の一覧(扉枠、手すり、階段、メーターボックス扉など)、さび落としの程度

バルコニーとルーフバルコニーの扱い

先に触れたとおり、バルコニーは各住戸が専用に使っていても共用部分です。マンション標準管理規約(令和7年10月改正)では、区分所有者はバルコニーの専用使用権を持ち、清掃のような通常の使用に伴う保存行為は使う人が、経年劣化に対する計画修繕は管理組合が、それぞれの責任と負担で行う整理になっています。

床の防水工事では、植木鉢や物干し台、収納庫などを室内へ移してもらう必要があります。移動の時期や、エアコンの室外機のように動かしにくい物の扱いは、工事のしおりで具体的に案内します。上の階の床が下の住戸の屋根になるルーフバルコニーについて、マニュアルは屋根防水の改修に準じ、原則として押え層のある断熱防水などを施すとしています。通常のバルコニーより工事の範囲も費用も大きくなりやすい部分です。

鉄部塗装

鉄部塗装の周期は5〜7年とされ、外壁や防水より短く設定されています。大規模修繕の年には足場を使って一緒に塗り、その間の年には単独で塗り替える計画になっていることがあります。さびを落とす程度(下地調整)によって仕上がりの持ちが大きく変わるため、塗る回数と合わせて仕様書で確認します。

サッシ・玄関ドアの交換時期とカバー工法

窓サッシや玄関ドアも、多くのマンションで共用部分に当たります。長期修繕計画作成ガイドラインの記載例では、窓サッシと玄関ドアは12〜15年で点検・補修、34〜38年で取替えとされています。マニュアルは、1回目の大規模修繕ではサッシの汚れ落としや清掃、2回目では戸車やクレセント(窓の鍵)などの付属金物の取替え、サッシ全体の取替えは3回目以降に行うケースも見られると紹介しています。

工法内容確認したいこと
障子のみの交換枠は残し、動く部分(障子)を取り替える枠の傷み具合、ガラスの仕様
かぶせ工法(カバー工法)既存の枠を残し、その上に新しい枠をかぶせて取り付ける開口部が少し小さくなる程度、既存枠の防錆処理
全撤去・新設工法既存の枠ごと撤去して新しいサッシを付ける外壁の補修範囲、工期と住戸内への影響

マニュアルによると、既存の枠を利用して新しいサッシに改装するかぶせ工法(カバー工法)が一般的です。取替えの際は、断熱性・遮音性・防犯性などのどれを重視するかを管理組合で検討してから工法を選び、美観の面からも各戸がばらばらに取り付けないよう、計画的に進めることが望ましいとされています。

ポイント

標準管理規約では、防犯・防音・断熱など住宅の性能向上につながる窓ガラスやサッシの工事を管理組合がすぐに実施できない場合、理事長の書面による承認を受ければ、区分所有者が自分の責任と負担で行えるとされています。個別の交換を認めるかどうかは、各マンションの規約と細則を確認してください。

設備工事は、同時にやるか別に計画するか

給排水管、エレベーター、機械式駐車場、インターホンなどの設備は、外壁・防水とは周期が違います。ガイドラインの記載例では、給水管・排水管は19〜23年で更生、30〜40年で取替え、昇降機は26〜30年で取替え、インターホンは15〜20年で取替えとされています。2回目以降の大規模修繕では、これらを同時に行うかどうかが大きな論点になります。

進め方利点注意点
同時に行う足場や共通仮設を共用でき、住民の負担期間が1回で済む一時的な支出が大きくなり、積立金が不足しやすい
別に計画する支出の山を分散でき、それぞれの工事に専門業者を選びやすい仮設費が重なり、工事の回数が増える

設備の工事には、古くなった機器を同じ性能で取り替える修繕だけでなく、性能を上げる改良もあります。マニュアルは、給水方式の変更、排水管の材質のグレードアップ、インターホンや防犯設備の更新などを改修の例として紹介しています。修繕と改良を分けて費用を示してもらうと、どこまでを積立金で行うかの議論がしやすくなります。

配管の更新では、共用部分の立て管と住戸内の専有部分の配管を一緒に替えたい場面があります。2026年4月施行の改正区分所有法は、規約に定めがあれば、共用部分の管理・変更と同時に行う専有部分の保存・改良を、共用部分の工事と同等の多数決で決められる制度を設けました。法務省はその具体例として配管の全面更新を挙げています。実際に使うには規約の整備が必要なので、設備工事を検討するときは早めに専門家に相談してください。

修繕工事の見積もり前に「含まない工事」を書き出す

工事内容の確認でいちばん見落とされやすいのは、「何をやるか」より「何をやらないか」です。対象外の工事が曖昧なまま契約すると、工事中に「それは別途です」と言われ、追加費用や工事後の不満につながります。

  • 今回は見送る工事(例:給排水管、エレベーター、機械式駐車場)
  • 住戸内の工事(例:専有部分の配管、玄関ドア内側の塗装)
  • 付帯工事(例:植栽の剪定・移植、駐車場の車両移動、室外機の移設)
  • 数量で精算する工事(例:下地補修、タイル補修)の想定数量
  • 工事中に見つかった不具合の扱い(誰が判断し、どう承認するか)

施工会社や設計者にはこう聞く

  • 「この工事項目の対象範囲を図面に色分けして示してもらえますか」
  • 「今回の見積りに含まれていない工事で、近いうちに必要になりそうなものはありますか」
  • 「数量精算の項目について、想定数量の根拠と、増えた場合の上限の考え方を教えてください」

「一式」表記の読み方は「一式」表記など見積書で確認したい項目、複数社の比べ方は見積もりを比較するポイントも参考にしてください。数量精算や工事中の追加費用への備えは、大規模修繕の費用相場の記事で整理しています。

工事項目を確認するチェックリスト

仮設・防犯足場の種類と設置期間、侵入防止の対策と住民への周知
下地補修調査方法、想定数量、精算方法
外壁塗装塗料の種類、塗り回数、対象の面
タイル打診の範囲、浮きの補修方法、張替えの数量
シーリング打替えか増打ちか、対象部位
防水部位ごとの工法、既存層の扱い、保証年数
鉄部対象部位の一覧、下地調整の程度
サッシ・玄関ドア今回の対象か、工法(カバー工法など)と性能の選び方
設備同時施工か別計画か、長期修繕計画との整合
対象外見送る工事、住戸内の工事、付帯工事

確認した内容は、工事項目ごとに「対象」「仕様」「数量」「対象外」の4列で表にしておくと、複数社の見積りを並べたときに違いが一目で分かります。住民説明の資料にもそのまま使えます。

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その見積もり、本当に適正ですか?

工事項目・数量・単価・諸経費を、無料で確認します。必要な施工と監理は守りながら、理事会で質問すべき点を整理します。

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よくある質問

修繕工事とは何ですか?大規模修繕工事とは違うのですか?

修繕工事は、劣化した建物や設備の性能・機能を回復させる工事の総称です。その中で、長期修繕計画に基づき、全面的な外壁塗装などを伴って建物の全体または複数の部位をまとめて直す大規模な工事を「大規模修繕工事」と呼びます。性能を上げる工事は「改良工事」として区別されます。

マンションの大規模修繕工事では、どんな工事をしますか?

足場などの仮設工事、外壁の下地補修と塗装、外壁タイルの補修、シーリングの打替え、屋上・バルコニー・廊下の防水、鉄部の塗装が中心です。回数を重ねると、サッシや玄関ドアの取替え、給排水管などの設備工事が加わることがあります。何を含めるかは調査診断と長期修繕計画をもとに決めます。

足場の費用は削ってよい項目ですか?

安全や施工品質に必要な仮設を単純に削る考え方は適切ではありません。足場は作業員の安全、住民や通行人の安全、施工と検査の精度を支えるものです。金額が気になる場合は、足場の種類や設置期間、工程の組み方が建物に合っているかを専門家に確認してください。

工事中、バルコニーの私物はどうすればよいですか?

バルコニーは共用部分なので、防水や外壁の工事の対象になります。工事の前に植木鉢や物干し台、収納庫などを室内へ移すようお願いされるのが一般的です。移動が難しい大型の物や室外機の扱いは、施工会社と管理組合で方針を決め、工事のしおりで具体的に案内します。

足場がある期間、空き巣などの防犯対策はどうなりますか?

国交省のマンション改修マニュアルは、1階まわりへの金網フェンスや赤外線センサーの設置などを検討するよう示しています。住民側も、外出時や就寝時に窓を施錠し、補助錠を使うことが大切です。具体的な対策の内容は施工計画と工事説明会で確認し、不安な点は理事会を通じて施工会社に伝えます。

見積書の工事項目が会社ごとに違うのはなぜですか?

各社が独自の判断で工事範囲や仕様、数量を設定すると、項目の名前や分け方が違ってきます。比べやすくするには、設計図・仕様書・数量書で共通の条件を示してから見積りを依頼するのが基本です。条件をそろえても違う項目は、その理由を各社に質問してください。

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出典・参考資料

写真:Photo by Clark Gu on Unsplash、Photo by Se. Tsuchiya on Unsplash

本ページは一般的な確認の視点を整理した編集部記事です。個別の建物・契約・法的判断の確認を代替しません。法令・規約・契約は最新の資料で確認してください。